不動産の賃貸市場と空家対策

前回の続き。


「データ分析ネタ」不動産の賃貸市場をみてみると... - yota2の日記

 

これは日本全体。
都道府県別でみると、どうも東京は市場が最適化されやすい傾向にあるらしい。反対に沖縄や北海道の賃料は安くなりすぎている(理論価格より実際の価格の方が下がっている)。

 

例えば、沖縄県のとある物件の理論価格は96,000円、実際は67000円。その差は30,000円と以外と大きい。

 

もちろん、物件の種別とかにもよるんだろうけどね。まあ、当たり前だろうけど。

問題はこれが市場の論理で是正されるか、ということだ。
多分、無理。だって、東京に人がいっぱいくるから。

それこそ、同一地区内に空き家が多くなりつつあるとかでも、物件への入居確率(入居率ではない)も変わる。

極端なことをいうと、空き家は全部更地にしてしまってもいいわけだ。
更地にすることで、お金がおちるし、何よりも供給される住宅の分母が減る。それによって、需給バランスが整う。

単純な話であれば、これで住宅費の上昇は起こせる。ただ、そうもうまくいかないから、もうちょっと細かい話が必要だ(更地化費用を住宅費に使う仕組みとかね)。


空き家の活用なんて結局貸すことしかできないんだから、ぶっつぶして公園か駐車場にしたほうがよっぽどマシだ。貸し方の中身を考えようという人がいるのはわかるけど、つぶして更地化した場合とどっちの方が効用が高いのか数値化しろよと思う。東京R不動産に出てくる物件なんて統計的には外れ値なんだから、参考にしたってマクロレベルでは意味ないよ。

難しいのは、空き家が点在している場合だ。土地は動かせないからね。

まあ、結局のところ、無計画に都市をつくっていった結果、今の状況があるわけだ。外れ値のところを狙ってやっていたら、また同じことの繰り返しだ。

 

リゾート用不動産とかいって、証券化して市場にばらまいたらとか思っちゃうね(爆)。

「データ分析ネタ」不動産の賃貸市場をみてみると...

 

まあ、小ネタではあるんだけど。
例によって、不動産の賃料。

実際の賃料から予測した賃料を引くと差分ができる。
この大きさというか、分布が現在の市場を表す。

ちなみに、この予測した賃料の精度は80%くらい(日本全体ね)。
精度が100%じゃないから、歪みがあって儲かる人もいれば損する人もいる。

で、100万件だけ取り出して、分布をみてみた(ヒストグラム、これは±200,000円の部分だけ)。
すると、下記のようになった。

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* 賃料が30万円以下の場合を取り出している。

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最小値 : -154,700円 
中央値 : -79円
平均値 : 1,592円
最大値 : 236,500円

=========================

賃料は1000円単位が多いから、中央値はほぼ無視していいかな。
平均値がややプラスに傾いている。つまり、理論価格よりやや実際の価格が大きい傾向にあるということだ。日本全体でのお話ね。

わかりやすく解釈すると、やや貸主優位の市場になっている、需要の方がやや強いということだ。たぶん、今くらいから3月末くらいまではこの傾向は続くんだろうな。

借主の立場で行動するのであれば、下記のようになる。

1. 2,000円くらいは値引交渉する
2. 契約しない

長い目で見たときには、この差は市場の歪みでしかないので、徐々に修正されていく。経済学の基本だ。

選挙後にこの市場がどうなるかをみるとおもしろそうだな、と思う。

マッシュアップアワード10でオープンデータ部門賞を頂きました(100万円ゲッツ)



MAというと、日本でも有名なコンテストらしいですね。

まさか出場することになるとは思っていませんでしたけど。

 

MAは部門賞に20万円がでます。その他に報奨金が80万円でるので,

合計100万円になりました。少ないですね。GEEOの価値はもっとあるはずです。

 

よかったと思う点と残念な点を挙げていきましょう。

よかった点

1. 10代の人達がいたこと

これは大きいです。日本の場合、プログラマー = SE・PGと考える人が多くて、待遇がその職責の割に悪すぎる傾向があるので、目指そうと思うのはよほどのことがないとありえません。プログラムの書けるエリート層ってあんまり見ないですね(もちろん、いますけど、法律・経済勉強して文系採用ってのが多いですね)。

 

2. IoTとかをとりいいれはじめたこと

これ、自分でWebエンジニアと言っていて、IoTやっている人がいるわけですから、これは能力を高めたりするためにはいいんじゃないでしょうか?ハードウェアはよくわからない故障とかもでるので、ここの対応ができるのはよいことだと思います。Web -> ハードウェアみたいなパスもこれからでてくるのかなーと(かなり難しいところもあえいそうですけど)。

 

残念な点

1. お金の匂いがしない

これ、超重要。自分のことは棚に置いておきますが、「お金を稼ぐため」というよりは「つくりたいものをつくる」という部分が強すぎる感があります。もちろん、否定はしませんし、それによって発展したこともあるのでいいのですが、技術屋じゃない自分からすると、もうちょっとぎらついていて、お金になりそうじゃん、なんか新しい市場ありそうじゃんみたいなものもあっていいはずです(趣旨とずれるんでしょうけど)。そうすることによってエンジニアの価値や待遇、周りの目線というのは変わっていくと思いますし。

 

2. アルゴリズムを考えたサービスがほとんどない

工学の人達の祭典なんですね。みていると。理学というか、数学的なモデルを感じさせるサービスがほとんどないというのは残念です。打ち上げでも、数学的な話がでてきたのはあんまりなかったかなーと。まあディープな感じになってしまいますが、こういうのは世の中には必要なので。数学的なアプローチは、極端なことをいうと、基礎体力の部分があるので、こういうことが好きな人達が増えた方が、全体的な底上げはできるのかなと。日本の現状だと厳しい気がしますけど。

 

こうみると、「理系のなかでも理学系の人がプログラマーになる、選択するメリットがある」という環境があるのが大事なのかなと。これ、僕は普段から感じてますが。

 

ちなみに、高校生には「線形代数(行列)と確率論はちゃんとやった方がいいよ」とかいってました。まあ、おっさんになりました(笑)。 

Pythonプログラマが年収380万ぽっちのわけない


【プログラミング言語別!】求人給与額ランキング | HRog

 

なにやら、TwitterとかFBで話題になっているこのお話。

まあ、バズれば勝ちだと思っているっぽいので、のってあげましょう。

 

はっきりいうと、この記事を書いた人、掲載を許可した人はアホなんでしょう。データをまともに使えない、プログラマの質と価値を落とすというだけでなく、求人業界のビジネスモデル的に大丈夫かと思います。

 

まず、このデータは求人の給与の下限額で集計されています。「Pythonプログラマ募集、年棒350万〜2000万」とかだと、350万円でカウントするわけです。なので、実態よりかなり低く出ます。役所の統計値についても色々ありますが、まずは厚生労働省がやっている「賃金構造基本統計調査」があります。年収ラボで見やすく表示してくれています。436万円。既に一位のPythonプログラマより上ですね。どうやったって、この記事のデータから平均436万円を計算するのは無理です。ついでにシステムエンジニアの年収も調べると、598万円です。 個人的なブログならまだ良いですが、記事を書くなら、裏をとったりとかが必要でしょう。

 

こういったデータがあるにも関わらず、この記事を掲載すると、どこかで影響はでます。言語の違いもわからない人が「380万とかでいいんだー」とか言い出すわけです。さて、じゃあそれで人を雇えるかと言われれば、雇えません。上述したデータもあるので、まあ500万円くらいは出さないと、全プログラミング言語共通で平均的な人材すら雇うことはできません。あくまで平均的な人材をです。ただ、マクロ的な資金の供給(ここでは給与の支払)が絞られれば、その業界(ここではプログラマ)から離れるか、賃金の減少に耐えるかという選択になります。パイが小さくなるので当たり前ですが。違う業界に転職できる人(たとえば、「プログラマなんかやーめた。保険の計算しよ」とか言い出す人)は基本的には質の高い人です。そういう人達がいなくなると、当然プログラマの質は下がるし、実質的な価値もなくなっていきます。もちろん、若い人達も違う業界を選択します。ま、そうやって衰退していくわけです。

 

最後に求人のサービスというのは基本的には、紹介した人の年収がいくらかによって、手数料が決まります。年収が高い人を扱った方が自分たちにとっては良いわけです。そうなると出来るだけ、人材の給与は高くしといた方がいいわけです。なので、マーケティング戦略としても給与上限で平均とってみたほうがいいわけです(まあ明らかに嘘っぽくなってしまうので、中位値にするとかの方がいいんでしょうけど)。自分から業界を縮小させるような記事を書くのは、どうなんだというところです。

 

色々書き連ねましたが、実際こういった記事は誰の得でもないと考えます。事実twitterでも、「むしろちゃんとデータ扱えないんだなーという印象」みたいなツイートがありましたし。ちなみに、求人系のデータはXMLで出すところがあるので、こういった分析は結構しやすかったりもします(Indeedの場合はこれで送信できる)。

ホリエモンを通して正社員になることのリスクを考えてみる 「労働力という名のアパート」


「絶対正社員にならない方がいいよ」― これからの時代の安定した働き方をホリエモンが語り尽くす | U-NOTE【ユーノート】

 

これ、タイトルとか論旨とか関係なく思うのは、場合によっては確かに掛け持ちした方が安定するかもしれないということ。それは正社員になるならないというのはイコールじゃないんだけどね。

 

というのも、やれ投資だなんだという時に、絶対に出てくる話は分散投資だ。分散投資 = リスクを減らすという考え方がある。

 

労働力を健康な人が持つ資産だと定義すれば、労働者は会社にその資産を貸すことによって賃料(=給料)を得ているわけだ。実際、生涯賃金というのは2億-3億とかだし、特殊な才能(プロスポーツ選手とか)はそれ以上の資産価値を持つことになる(もちろん、その逆もある)。生まれながらにして、ちょっとしたアパートを持っているようなものだ。

 

さてこの、労働力という名のアパートは新築として賃貸を開始できるまでに22年位はかかるけど、2000万円くらいでできるわけだから、投資としてはかなりおいしい。で、このアパートが賃貸開始を初めても最初はなかなか回収が難しい。2000万円回収するまでには、まあ4-5年はかかるわけだ(それでも、これで済むわけだけど)。

 

20代後半くらいでようやく収益がプラスになり始めた時に、収益力は更に増していく(日本の賃金構造は年齢ベースなところがほとんどだしね)。ただし、借主側(つまり会社)からすると賃料が上がり始めるという事実がある。つまり貸主にとってはリスクが上昇していくわけだ。ただ、収益力も増加していけば問題はない。収益力が鈍化したときに、賃料が高いというのが問題になってくる。

 

そうなると、借主は賃料が安くて同程度の物件であればそちらを借りた方がよくなる(全体として利益を出しやすくなる)から、ポートフォリオのリバランスを検討する。リバランスを実行するというのは、定年退職だったりしたわけだ。

 

規制緩和とかで正社員を簡単に流動化できるようにしたとする。これは、貸主としてはリスクの増加でしかない。そうすると、賃料を上げる、オプションをつけるとかをしないとリスクと価格のバランスが崩れてしまう。ボラティリティとのバランスがとれない。

 

労働力は分散して貸し出すことが出来る。その場合は借主に対して賃料やオプションについて定める機会が多くなるわけなので、その分リスクは小さくなる。収益も安定する。まあ、アパートの部屋数を多くして、色んな間取りを用意しておくとか、REITとかと同じだ。もちろん、それによってリスクが大きくなるケースもあるけどね。

 

そういう意味では、できるだけ分散して貸し出した方が良いのは間違いない。ホリエモンの話は、そうやって考えてみると当然のことだ。収益安定という点でね。

 

でも、正社員にならないことのリスクってのもあるよね。社会保障だとか、履歴書を見たときだとかに、色々頭の中で考えられたりだとかそういうとこ。収益は安定するかもしれないけど、そこにレバレッジをかけて収益を大きくすることができるか、難しくならないかということだ(大きさじゃなくて安定とるなら、それもまた良しなんだけど)。労働力を分散したら、管理できるか、どれだけ分散できるかという問題がでてくる。

 

その辺も含めて、資産としての労働力を投資した効果を検討して、正社員の方がいいかわるいかという話がでてこないと、それは単なる起業マンセー的な話なんじゃないかと思ってしまう。

ザッカーバーグが中国語を話すこと、とグローバル人材()

ザッカーバーグ、中国語話すんですね。英文の記事をみたらMandarinでした。


マーク・ザッカーバーグ、北京の清華大学で中国語を披露して大反響 - TechCrunch

 

きっと、ザッカーバーグさんは日本にきたらグローバル人材ですね。実際グローバル経営してるからそうなんでしょうが。

 

周り(FB)では、中国語を話せるということが話題になっていますが、この記事って「ザック、中国語話すんだ、すげえじゃん」ということではない気がします。特に、英語版を読むと、SEMの顧問委員会のメンバーに就任したことだったりとか、そういう政治経済系の話が記事のポイントのように読めます。SNSが中国ではブロックされているのにも関わらずとか、そういう潮流があるかもしれないというあたりですね。

 

なんで日本人は外国語が話せるというところに目が言ってしまうんでしょう?グローバル人材の育成というと、何故か「英語」とかの言語に目がいきますね。そんなに英語できないといけないんでしょうか?というか、それって教養の問題だと思うんですけど。

 

日本でも世界でも良いのですが、歴史をみてみると資源を得るための侵略と植民地支配の繰り返しのはずです。今もでしょうけど。その中で、日本は元寇だとか、朝鮮出兵鎖国、アジアへの進出と支配とかをやってきたわけです。

 

国内での資源が枯渇すれば、他国の資源を...というのは通常の考え方です。この解決方法に外交だったり経済(貿易)だったりがあります。反対に、自国の資源を守らなければいけない状態における解決方法も外交や経済(貿易)です。「国」という単位で世界が動いている状態においては、これが繰り返される、つまり歴史となります。ドラマの不毛地帯なんかでも言っていましたが、まさに「経済戦争」をやっているわけです。

 

これがグローバル世界の根本なわけで、その中で英語とかの他言語を使えることがどれくらい重要なのか、というところがあります。必要ないとは言いませんが。それよりは自国の資源を増やすことができる、その方法を選択できるというところに重きを置いた方がよっぽどグローバル人材じゃないかと考えてしまいます。

 

もちろん問題は色々ありますが、戦争や侵略は一つの手段で、そこに英語が話せることはあまり関係ないわけです。イギリスは世界中に領土を広げた時期がありましたが、その中でどれくらい言語って大事だったのでしょうか。もちろん、交渉をする場合は言語能力は必要になりますが、それ以前にどういうテーブルを作るのかの方が重要になります。相手のやり方を見定めた上で、自分のやり方を通すという方がよっぽど重要です(この時のやり方で相手国の言語で色々とやるというのは一つの手段ですね)。

 

冒頭の記事でも、FBのCEOが中国でポジションを得てうんぬんというのはまさにテーブルを作っているわけなので、そっちの方がはるかに世界戦略としても理にかなっています。

 

ちなみに、英語版ではmultilingual、日本語版でも複数の言語となっていますから、英語、中国語以外にも言語を話すんでしょう。そういう意味でも教養として複数言語は心得ているはずです。

 

こういう記事を読んで反応を見てると、わざわざグローバル人材()というよりは、日本人の教養の質を高めるという方が重要な気がしてしまいます。

 

Facebookを使ってグノらせる(Gunosyにのせる)方法を考えてみた

今朝、Gunosyから「戦略コンサルタントが教育を語るとこんな事になる」なんていう刺激的な(笑)記事が配信されたので、クリックして読んだ。

タイトルを読んでクリックしてしまう事自体はGunosyだったり、ブログを書いている人の狙いもあるだろうから、いいとしよう。
記事の中身も、考え方は色々だし。

で、この「我が国の産業構造と労働市場パラダイムシフトから見る高等教育機関の今後の方向性」という資料なんだけど、僕は10/24にFacebookでコメントしていた。

5:37にコメントしているからほぼ3日(72時間)のラグがあるということになる。ちなみに、ブログ記事は10/26の08:50に投稿されたっぽい。

2年ちょっと前の記事だけどこんなのがある。

既にみてしまった記事があると書いてある。

ということは、です。

FBのFriendsがシェアしたりコメントしたりした事柄について、何らかのアクションを起こしてから、ブログ書けばグノるんじゃね?

みたいな仮説が成り立つんじゃないでしょうか?

これ、Tickerみてれば分かるし。

アルゴリズムの特徴は以下ですしね。

・前日にFacebookTwitterでの話題に上がった記事や各種RSSなどから収集
・ユーザー様のtwitterFacebookの行動や登録後Gunosy内でのクリックログからユーザーの特徴を解析し、その特徴にあった記事をスコア付けし推薦
http://gunosy.tumblr.com/post/49731783015/gunosy


「FB、TWで話題になるかどうか」は、自分の周りが言及したかどうかで、「ユーザー様のtwitterFacebookの行動」はFB内で自分がアクションをおこしたかどうかとなります(当然か)。


ここに対して、自分の見解をブログで表明すること自体は不思議なことではないはず。

問題は「自分の記事が取り上げられるか否か」と「グノった場合に何人がそれを読んだか」が不明なこと(計算結果次第では1人にしか配信しないってこともありうるので)。まあ、この辺はアクセス解析でいいっちゃいいのだろうけど。

ということで、多少実験してみましょう。

うまく行かない場合は僕の力不足ということで(笑)。